東京電力をのぞく、電力9社の2012年度上半期(4−9月期)の連結中間決算が1日までに出そろった。
原発の稼働停止と、夏場の節電を背景に中国電力をのぞく8社の損益が前年より悪化した。電力各社が、原発に収益面でも依存した供給を行うことが、改めて浮き彫りになった。
東京電力は1日時点で、決算発表の日時を未定としている。原発の再稼働時期が見通せないために、中部電、沖縄電をのぞく7社が決算予想を開示しなかった。
31日に決算を発表した関西電の同期経常利益は378億円と前年同期比77%減。原発の定期検査での停止が響いた。菅直人前首相の要請で5月に浜岡原発を停止した中部電は、経常赤字61億円。
東北電は原発停止に加えて、震災と節電の影響もあって赤字728億円となった。中部電力は通期見通しを1550億円の経常赤字とした。一方で中国電力は島根原発の再稼働によって、経常利益は前年同期の2億円から161億円に大幅に改善した。
ストレステストなどから、今年度内の停止中の原発再稼働は難しい。さらに燃料費負担が電気料金上昇に転嫁される可能性もある。各電力会社と消費者は、コストの面から、原発との向き合い方について決断を迫られる。(オルタナ編集部=石井孝明)