
ロシアの北極南極科学調査研究所は8日、南極大陸の氷の下にある「ボストーク湖」を調査するために掘削を行っていた同国の調査隊のドリルが湖面近くまで到達したと発表した。深さ約3800メートルに達し、1989年から掘削を行っていた。
この湖は約1万9000平方キロメートルで、琵琶湖28個分の巨大な淡水湖。湖を覆う氷床が毛布をかけたように地熱を閉じ込め、推定1500万~3000万年もの間、湖は凍ることがなかったとみられる。そのために数千万年もの間凍ることのなかった「太古の氷」を採取できる可能性が出てきた。
同研究所によれば、最後の氷の層を破れば湖の水が掘削した穴を上ってきて凍る。そうすれば湖を汚染することなく、太古の水の標本を採ることが可能だという。外界から隔離されていたとみられ、未知の微生物などが存在する可能性があるという。同研究所は南極が夏になる12月ごろ、水を採取し調べる方針だ。
(オルタナ編集部=石井孝明)