
農林水産省は10日、2011年の農林水産物輸出実績(速報値)をまとめた。輸出額は前年比8・3%減の4513億円となった。
減少は2年ぶり。東電福島原発事故で、各国の輸入規制と風評被害が重なった。
内訳は農産物が7・1%減の2341億円、水産物が10・9%減の1737億円など。農産物では、福島が産地のモモが43%減、ブドウが35%減など果実全体で8%減。野菜も全体で23%減だった。
ただ、リンゴは1・4%増となった。9割を占める台湾向けが5月にゼロになったことに危機感を抱いた関係者が積極的に対応。
主産地青森県の三村申吾知事が3回訪台してトップセールスを行い、県りんご輸出協会も10月に台湾から業者を招いて、被害の少ないことを紹介したという。
コメは31%減。農水省は中国向けの輸出に期待していたが、原発事故で止まった。中国は10月に日本からの輸入規制を緩和したものの伸びは低迷している。(オルタナ編集部=石井孝明)