
埼玉県庁の敷地内で、3月27日に「ソーラー水素ステーション」の実証実験が始まった。化石燃料は使わず、既存インフラの水道水を、太陽光由来の電気で分解して水素を得る。
同ステーションは、埼玉県、本田技研工業、本田技術研究所、岩谷産業が産官協働で設置した。環境省委託事業として、2013年度末まで実験的に運用する。
ホンダの技術で小型化した「高圧水電解装置」は洗濯機サイズ。将来的には家庭への導入を目指す。ステーションの屋根などに設置した計10.5キロワットの太陽光発電システムでつくった電気を主に使い、1日に最大1.5キログラムの水素を製造する。
ホンダの燃料電池自動車「外部給電付きFCXクラリティ」1台が知事の公用車として納品された。約3分の充てんで約4キログラムの水素が入って満タンになり、約600キロメートル走行可能。非常時には一般家庭6日分の電源になる。ステーション併設のタンクには、クラリティ3台分の水素が蓄えられる。
オープニングセレモニーで登壇した南川秀樹・環境事務次官は「車はCO2の大きな排出源。ゼロエミッションを実現する同事業のインパクトは計り知れない」と語った。(オルタナ編集部=瀬戸内千代)