中部電力は16日、南海トラフの巨大地震により浜岡原発(静岡県御前崎市)の周辺を最大21mの津波が襲うとした内閣府の検討結果について、同原発の停止中は冷却機能が失われても高台に設置したポンプを使って安全を確保できるとする検討結果を発表した。

浜岡原発では現在、施設の海岸側に海抜18mの防波壁を建設する工事を行っている。しかし3月31日に開かれた内閣府の検討会で、浜岡原発付近に押し寄せる津波の最大の高さが防波壁を上回ると予想されることから、経産省原子力安全・保安院が2日、中電に検討を指示していた。
しかし今回の検討結果は同原発が停止中で核燃料が冷えていることを前提としており、運転時の想定ではない。また、予想される21mの高さは海岸付近のもので、津波が陸地を駆け上がる際の高さを示す「遡上高」ではない。(オルタナ編集部=斉藤円華)2012年4月16日