車道から脱原発 官邸周辺で「チャリデモ」

毎週金曜日の夜に首相官邸周辺で脱原発の抗議行動が行われているが、これに自転車で参加する「チャリデモ」がツイッターなどで呼びかけられている。10日には数十台が車道から脱原発をアピールした。

■サイクリストらが呼びかけ

当日は「チャリデモ」参加者にステッカーが配布された

自転車での「デモ」を呼びかけているのはサイクリストら数人でつくる有志。当日の参加呼びかけはツイッター上のハッシュタグ「#チャリデモ」「#官邸前自転車総決起集会」を通じて行われ、官邸前の抗議行動を主催する首都圏反原発連合がリツイートするなどして拡散した。

有志の一人は「歩道は混雑していて動けないが、自転車は車道を自由に走れる。一方、自転車で抗議に参加している人は以前からいるが、1台ずつバラバラに走っている。まとまって走れば効果的に意思表示できると考えた」と話す。

当日は呼びかけに応じた人など数十人が自転車で官邸周辺を駆け抜けた。有志らは午後6時頃から10台前後のグループで国会を中心に周回を重ねたが、単独で走る人もいる。墨田区に住む20代の男性は「ツイッターで知った。(原発がある)現状は自分たち国民にも責任がある。自転車ももっと来るといいと思う」と話す。

■歩道の参加者と一体感

自転車でも脱原発をアピール=8月10日夜、首相官邸前付近で

記者も脱原発や再稼働反対を望むサイクリストの一人として、「チャリデモ」を走ってみた。自転車も車両なので法令は順守だ。道路交通法で禁止されている並走や無灯火などはほとんど見かけなかった。

それにしても、抗議活動の参加者でごった返している歩道と違って車道はガラガラ。警察車両や警備のバリケードばかりが目立つ様子は異様だが、一般車両の通行が少ないので走りやすいのは確かだ。高速走行は望むべくもないが、同じコースをグルグル回る風情は、自転車競技に強引にたとえれば「エンデューロレース」と言ったところか。

歩道の参加者に向けて手を振ると手を振り返してくれるのも、何だかうれしい。終了後、前出の有志は「集団で走ることで、歩道にいる人との一体感が生まれた。他の参加者への応援にもなる」と話した。「チャリデモ」は毎週開催予定だ。(オルタナ編集部=斉藤円華)2012年8月16日

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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