オルタナ77号「農業トピックス」49

欧州連合(EU)、国連世界食糧計画(WFP)、国連食糧農業機関(FAO)などは4月、共同で「食糧危機に関する世界報告書」の最新版を公開。59ヵ国・地域で約2億8200万人が飢餓状態にあると報告した。
報告書は飢餓の主な原因として「紛争の激化」、「異常気象」、「経済的ショック」の3つを挙げる。紛争が続くガザ地区では人口の約半分にあたる110万人が、南スーダンでは8万人近くが、7月までに「壊滅的な飢餓」に陥ると警鐘を鳴らす。
異常気象では猛暑や干ばつによって18ヵ国7700万人以上が飢餓に直面し、その数2022年の12ヵ国5700万人から大幅に増加した。経済的ショックとは、輸入食糧への依存や通貨安、物価高などを意味し、21ヵ国7500万人が影響を受ける。
報告書は、食糧システムの変革や農業開発に向けた長期的な投資とともに、人道支援や「平和」の必要性も強調する。