*オルタナLの「L」はライフスタイルの「L」です。「持続可能なライフスタイル」のニュースをお届けします。
記事のポイント
- 国産の廃棄りんごをアップサイクルした「アップルレザー」が広まる
- アップルレザーは廃棄りんごや搾りかすを原料とした合成皮革だ
- 国産アップルレザーを選ぶことはフードロスや地方創生にも貢献する
植物由来のレザー製品が多く登場する中、国産の廃棄りんごをアップサイクルした「アップルレザー」が話題を集めています。(エシカルライター=宮野かがり)

「アップルレザー」は、天然資源を活用した合成皮革の一種です。廃棄りんごや、りんごジュースなどの加工品を製造する際に発生する搾りかすを樹脂と混ぜてアップサイクルします。
石油由来原料の使用を従来の皮革と比べて抑え、動物性原料を使わないことからアニマルウェルフェアに配慮できるなどのメリットもあります。
国内のリンゴ生産は東北地方を中心に盛んですが、アップルレザー自体は欧米発祥でインポート品が主流でした。
近年では、国産の廃棄りんごの有効活用や地域創生の一環として、アップルレザーが脚光を浴び、製品化や導入の動きも広がりつつあるのです。

例えばアップサイクルや農家支援事業を手掛けるappcycle(アップサイクル、青森市)が開発した、青森の廃棄りんごやりんご残渣を使用した国産アップルレザー「RINGO-TEX」は、原料の国内調達によるカーボンフットプリントの抑制や原料となるりんごの乾燥工程においてCO2を排出しない技術を採用するなど製造過程でサステナブルな工夫が光ります。

青森県弘前市内を走る循環EVバスの座席シートカバーやANAオリジナルのグッズ、タレント王林さんがプロデュースするアパレルブランド「What Is Heart (WIH)」のキャップなどに採用されています。
私たち消費者が国産アップルレザーを選択することは、フードロスや地方創生にも寄与します。