近年アフリカ布を使ったファッションが日本でも人気だ。原色を多用したデザインや、落ち着いた色味の伝統的な生地には独特の魅力がある。今注目されるアフリカ発アパレルブランドを紹介する。その取り組みは単にビジネスとしてだけでなく、SDGsの推進にも貢献が期待される。(山口 勉)

沖田さんが「一生モノ」を目指すようになったのは、母や祖母から受け継いだ服をたくさん持っていた経験が影響しているという。


AFRICL

「AFRICL」(アフリクル)は、代表を務める沖田紘子さんが2020年に立ち上げたブランドだ。アフリカ、ベナンの職人が染めたバティック(ろうけつ染め)生地を用いて日本でデザイン、縫製を行っている。

沖田さんは、国際協力団体のインターンでベナンを訪れ、そこで生活する中でベナンの文化に惚れ込んだという。

沖田さんは次のように語る。「『一生モノ、を通じた豊かさの循環』をビジョンとして、日本の皆さまにとって笑顔のきっかけとなるプロダクト、サービスを提供すること、ベナンにおいて伝統文化を繋ぐこと、伝統文化の価値発信をベナン国内で行うことを目指している」

このような事業はSDGs(持続可能な開発目標)にも繋がる内容だ。沖田さんは「AFRICLとして、SDGsのどのゴールに取り組んでいるという発信はしていません。SDGsの取り組みは、お客さまや世間の皆さんに感じてもらえたらうれしい」と話した。

その理由として、「SDGsが流行のようになっている昨今、SDGsを語っていることが購入動機になりうると考えており、AFRICLとしては、商品を購入いただく理由は『SDGsに貢献しているから』ではなく、『プロダクトにときめくから』でありたいから」と語った。

現在クラウドファンディングにて第一弾プロダクトを販売中で、6月12日の開始から2週間で目標額の50万円を達成した。締め切りは7月31日まで。

ベナンの職人が手作業で染めたバティック

SOLOLA

SOLOLA(ソロラ)は暮らしに馴染むアフリカの伝統染織や、アート、オリジナルの手工芸品を扱うブランドだ。

ブランド名のSOLOLAにはコンゴ川流域で使われるリンガラ語で「話し合う」という意味がある。

オーナーの鈴木仁美さんは、産地に足を運び、デザインや昔の名品をもとに生産者と相談し、鈴木さんが理想とするものを作り上げている。

オンラインショップと企画展示を中心に、アフリカの美を発信している。商品や情報の発信、時にはアフリカのテキスタイル文化を紹介する映画の上映会などの企画もある。

AFURIKA DOGS

AFURIKA DOGS(アフリカドッグス)は、2018年10月に設立されたアフリカンアパレルブランド。アフリカ・トーゴの伝統布である「ケンテ」や独自に発展してきたバティックなどで作った服や雑貨などの企画、製造、販売を行っている。織物や染め物の産地である京都を拠点にしており、トーゴには現地法人もある。

AFURIKA DOGSの「DOGS」はアフリカ・トーゴ地域の一部でつかわれる「仲間」を意味するスラングだ。決してきれいなことばではないが、そんな泥くさくて、人間くさい関係に溢れたらいいなという願いを込めたという。

CLOUDY

CLOUDY(クラウディ)は2015年設立のアフリカンアパレルブランド。

代表の銅冶勇人さんは、ガーナやケニアで教育支援や雇用支援を行う認定特定NPO法人「Doooooooo」代表理事でもある。

このCLOUDYは、そもそも雇用をアフリカに生んでいくことを目的としてスタートしたという。ガーナには自社工場も持ち、これまで500名を超える障害者や女性の雇用を生んだ。同社のビジョンはアパレル事業を通じて、教育や雇用、健康問題などの社会課題を解決することでもあるのだ。

どのブランドにも共通するのが、ただ単にアフリカ布を扱っているということではなく、オーナーが実際にアフリカに住んだ経験を持ち、文化や習慣も含めてその魅力を伝えたい、共に対等な立場でビジネスを展開したいという姿勢だ。SDGsやCSR、ESG経営といった言葉を声高には発していないが、その理念や取り組みは正にSDGsやCSR、ESG経営そのものだ。