市民出資という仕組みをつくり、2001年に日本初の市民風車を設立した「北海道グリーンファンド」(札幌市)の鈴木亨理事長は言う。
「現在では、市民出資という言葉が当たり前のように使われていますが、14年前に私たちが市民出資研究会というグループを立ち上げたときには、こんな時代が来るなんて思いもよりませんでした。一方で、当時にはなかった新しい課題も出てきています。補助金や寄付、金融機関の融資の活用の仕方も含めて、どういった仕組みで個々のプロジェクトに活かしていけるのか、知恵を結集する必要が出てきているのです」
千葉商科大学大学院の伊藤宏一教授は、江戸時代の「講」の例をあげて、顔の見える人同士が信頼し合ってお金を地域で回し、相互扶助をしていたような形を取り入れるべきだと語る。
「明治になって、政府が貯蓄の奨励政策を実施したため、地域にお金が回らなくなりました。今は顔の見える人同士が新しい技術を使って、それを取り戻すことができる時代になっています。例えばITを使ってクラウドファンデングを活用し、一人ひとりがネットワークしていくというのも一つの例ではないでしょうか」
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