CSR部員リレートーク)日本ゼオン株式会社「『ありたい姿』の実現はまだ道半ば」

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小山 知紀(日本ゼオン株式会社 CSR 統括部門 CSR 推進室)

日本ゼオンは、石油化学素材製造業であり、主原料の「C 4留分」から主に合成ゴムを、「C 5留分」から主に石油樹脂及び光学用樹脂を製造販売しており、石油化学の中では若干ニッチなポジションを占めています。私たちは、経営の基盤として「ゼオングループCSR 基本方針」を掲げています。今回、当社のCSR 基本方針をご紹介しますが、内容はごく普通なものです。ただ、昨今CSR に「進化系」「市場創出」「競争力」を見出す論調が多い中、ごく普通の内容も一興ではと、題材にしました。

ゼオングループCSR 基本方針では、①コンプライアンスの徹底、②本業を通じた社会貢献、③一人ひとりの自覚、の3条を定めています。

当社は、グループ全体で約3000 人が製造、技術、研究開発、販売、企画管理などの仕事に携わっていますが、基本方針は全部署全員が共有できるものでありたい。そのために、「世の中のお役に立つ、特定の仕事ではなく一人ひとりの仕事が社会貢献に連なっている」ことを掲げました。

それなら「本業を通じた社会貢献」ではなく、なぜ「コンプライアンスの徹底」が第1条なのか。

ゼオングループは石油化学企業で、高圧ガス・危険物を扱う化学プラントを運転しており、安全を片時も忘れることはできません。水やエネルギーの消費量も多いので環境負荷低減は常なるテーマです。有限な石油資源が原料ですので、安定した品質で無駄なく生産しなければなりません。

グローバルに事業を展開している企業として、当然に求められる関連法令遵守。そうしたゼオングループの特徴から、「社会に『ごめいわく』をかけない」という考え方をベースにしています。「ごめいわく」は、「負の影響を少なくする」といった意味も含めて広くとらえるために、ひらがな表示にしています。言葉として「コンプライアンス」を使っていますが、法令に加えて社会規範、社会の期待のレベルという範囲までを含むものと解釈しています。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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