「ネオニコ系農薬はミツバチ減少の要因」――800の論文を基に国際的な科学者チームが発表

<WIAの知見の一部抜粋>

▼有害性
ネオニコチノイドの曝露影響は、即時性、致死性から慢性まで幅広く、低い(非致死的)濃度でも長期曝露で害を及ぼすおそれがある。ネオニコチノイドは神経毒で、それによって引き起こされうる慢性の障害としては、嗅覚ないし記憶の障害、産卵力低下、ハナバチにおける摂食行動の変化および採餌能力低下を含む摂食量の低下、ミミズにおける穴掘り行動の変化、飛行困難および病気の罹患率の上昇などが挙げられる。

▼各種生態系
ネオニコチノイドの悪影響は、植物をかじったり、樹液を吸ったり、花蜜を飲んだり、花粉や果実を食べたりするすべての生物種におよび、さらに連鎖反応的に生態系全体へ波及して、その安定性を弱める。

残留性(数カ月から数年以上)と水溶性の組み合わせにより、土壌と堆積物、地下水と地表水、ネオニコチノイドを施用した植生と施用していない植生とを問わず、大規模な汚染を引き起こし、蓄積の可能性をもたらす。

▼鳥類およびその他の種
脊椎動物は概ねのところ影響を受けにくいが、鳥類は浸透性殺虫剤に汚染された種子を食べる危険にさらされているし、爬虫類は彼らの餌食となる昆虫の減少による個体数の減少が知られている。魚類、両生類、および微生物はすべて、高レベルないし慢性的な曝露により影響を受けていることがわかった。世界中から集めた水のサンプルを分析したところ、規制基準の生態毒性限度値を上回ることが判明した。

哺乳類や爬虫類への影響の有無を評価するためのデータは不十分だが、後者についてはその可能性が高いと研究者たちは結論した。

▼欠落
ネオニコチノイドに関してわかっていることと同じくらい、わかっていないことについても憂慮すべきである。浸透性農薬の使用量の実態に関するデータはほとんどなく、環境中におけるネオニコチノイド濃度のスクリーニング調査もあまり行われていない。スクリーニング調査が実施されたところでは、ネオニコチノイドとフィプロニルがしばしば検出されている。

▼結論
ネオニコチノイドの現在の使用規模は持続可能ではない。

執筆者たちは、規制当局がネオニコチノイドとフィプロニルに対して予防原則とより厳格な規制を適用し、全世界での段階的廃止の計画を立て始めるか、少なくとも世界規模における使用を大幅削減するための構想を立て始めることを強く提言する。

■ネオニコ系農薬は「進むべきではない道」

このWIAの詳細は今夏、専門学術誌「エンバイロメンタル・サイエンス・アンド・ポリューション・リサーチ」(環境科学と汚染研究)に発表される予定だ。

EUでは2013年12月、ネオニコ系農薬3種(クロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサム)の一時的な使用禁止が始まった。一方、日本では、クロチアニジンの残留農薬基準の大幅緩和が検討されている。

こうした状況を受け、TFSP代替農業WG座長のロレンゾ・フルラン博士は「未来のことは分からない。しかし、浸透性農薬の使用は、科学的に『進むべきではない道』だということが証明された。私たちは、科学的な情報に基づいて、未来に向かって行動することはできる」と話した。

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2014年6月26日(木)21:33

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