川向 緑(日本オラクル株式会社 コーポレート・シチズンシップ専任担当)
オラクルの社会貢献活動は、Corporate Citizenship、日本語でいうと企業市民活動と呼ばれています。米国本社のリーダーシップのもと、オラクルらしい社会への貢献をすることを目指し、①環境、②教育、③ボランティアの3 本の柱で活動をしています。いままで米国本社以外に、Citizenship の専任担当者はいなかったのですが、日本での活動強化のため、昨年度から私が担当として任命されました。現在は米国本社での方針と日本の市場や地域が求めている企業市民活動とのバランスを考え、活動の範囲を少しずつ広げようとしている道中にあります。今回は、3本柱の中でも特にボランティア活動についてご紹介します。
自発的にまわるボランティアの仕組みづくり
オラクルでは、ボランティア活動に限らず、社員は常に「自主的であること」また「自立していること」が求められています。会社に与えられた業務をただ遂行するだけでなく、その時その場で必要なもの、求められているものを自らが発見し、実行する。ボランティア活動についても同様です。
オラクル社内には、ボランティア活動を取りまとめる部署のようなものはありません。社員が支援したいものを見つけたら、その人自身がリーダーとして立候補し、ボランティア活動を推進していきます。オラクルとして提供するのは、その活動を支援するためのインフラ、参加呼びかけのためのメール案、参加者に向けての情報公開の仕組みなどです。
とはいえ、日本ではボランティア活動があまり浸透していないため、最初の半年は、私自身が興味のあることや支援したいと思うものにリーダーとして名乗りを上げ、いくつかのボランティア活動を実施しました。そして、その活動に参加してくれた社員に都度、オラクルとして社員に期待するボランティア精神について伝えることを続けました。半年を過ぎるころから、自主的に活動を継続する社員、次のリーダーとして手を挙げてくれる社員が出てくるようになり、オラクルの考える「企業市民」「ボランティア」の姿が少しずつ浸透していることを実感しました。
そんな中、ある日、マーケティング部の社員から「技術者に自社のテクノロジーであるJava(プログラミング言語)を教育する活動をさらに広げ、子ども向けのJava のプログラミング教室のようなものをやりたい」という声をかけられました。