最優秀賞は法政大 福屋実希子さん――住友理工 学生小論文アワード

都内で行われた最終審査会の様子、議論は3時間におよんだ
都内で行われた最終審査会の様子、議論は3時間におよんだ

住友理工は大学生・院生・留学生向けに、「住友理工 学生小論文アワード」を開催した。小論文のテーマは、「これからの男女共同参画とは-こんな会社で働きたい-」。全国から50本の小論文が集まり、最優秀賞には、「男女の対等なパートナーシップを築く組織がサステナブルな社会をつくる」と主張した、法政大学人間環境学部人間環境学科3年の福屋実希子さんらのチームが輝いた。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

福屋さんの小論文のタイトルは、「働く人の対等なパートナーシップが築く男女協働参画社会を求めて-企業理念と組織風土のリコンストラクション」。この小論文は、福屋さんと同科3年の久米祐梨子さん、小阪幸美さんとの協同で執筆された。

同論文では、男女共同参画を、「男女協働参画」と定義し、企業に女性が活躍できる組織風土への転換を求めた。提案内容は、「株主、経営陣への意識改革」「男性優位型組織理念の変革」「女性の能力開発サポート」「センシブルな協働組織の構築」の4つだ。

現代社会の価値観に寄り添い、対等なパートナーシップを持つ企業こそが、女性の活躍とサステナビリティを実現する次世代のエクセレントカンパニーだと主張した。

次席には、高崎経済大学地域政策学部観光政策学科4年の圷陽太郎さんが選ばれた。圷さんのタイトルは、「競争力としてのダイバーシティ-にわかダイバーシティからの脱却-」。同論文では、ダイバーシティに取り組み意義を、社員の「創造性を発揮させるため」とした。圷さんは、企業が多様な価値観を持つ人々を内包し、創造力を発揮しやすい環境をつくるべきだと主張した。

優秀賞には3組が選ばれた。女性の活躍を推進するレジリエンス・ワークを提唱した法政大学人間環境学部人間環境学科3年の千嶌健太さん、島村安美さんチーム。LGBTの視点から男女共同参画を考えた、京都大学医学部医学科6年の梅渓慧さん、そして、女子大学でのダイバーシティ教育の重要性を説いた、椙山女学園大学現代マネジメント学部現代マネジメント学科2年の熊澤有里さん。

審査員特別賞には、日本で働く外国人の問題点を指摘した、大阪大学人間科学部人間科学研究科博士課程2年のマルタ・シチギュウさんと、組織のモチベーションをあげる「2-6-2」をダイバーシティ施策に生かした、麗澤大学経済学部経営学科学士課程4年の北野舞子さんとう同科4年の永井優衣さん、島崎里紗さんが選ばれた。

同アワードでは、「ダイバーシティ(多様性)」「ワークライフバランス」「インクルージョン(包摂)」などをキーワードに、大学生・院生に男女の視点を盛り合わせた「男女共同参画」を考えてもらうことを狙った。

住友理工は2014年10月に東海ゴム工業から社名変更した。これを機に、女性社員を含めた全社で、働きがい・働きやすさの面で本当の意味でのリーディングカンパニーを目指し、同アワードを立ち上げた。

住友理工社員や有識者らによる選考を経て、各賞を決めた。最優秀論文には賞金100万円(1人)、次席は50万円(1人)、優秀賞は10万円(3人)、審査員特別賞には記念品(2人)が贈られる。

審査員は、河口真理子・大和総研調査本部主席研究員(審査委員長)、大西祥世・立命館大学法学部教授、田村太郎・一般財団法人ダイバーシティ研究所代表理事、戸成司朗・住友理工CSR・社会貢献室長、森摂・オルタナ編集長の5人が務めた。

6月28日には、「住友理工 学生小論文アワード」の表彰式を栄ガスビル(名古屋市中区)で行う。同アワードを受賞した学生たちが登壇し、小論文に込めた思いをスピーチしてもらう。「男女共同参画」をテーマにしたシンポジウムも開き、同アワードの審査員が登壇する。参加費は無料。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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