[書評:ソーシャルファイナンスの教科書] 社会を良くするお金の使い方

■「お金の地産地消」で地域の課題を解決

本書では、収益性と社会性を兼ね備えた「ソーシャルファイナンス」の事例として、被災地の企業の再建を投資や寄付で応援する「セキュリテ被災地応援ファンド」や、市民からの出資金「志金」を地域のNPOやコミュニティビジネスに投資するコミュニティ・ユース・バンクmomoなどを紹介。

地域の自立のためには、人や地域の資源を生かすだけではなく、「お金の地産地消」が生まれることが不可欠、としている。

このほか、ESG投資や「スチュワードシップ・コード」、「コーポレートガバナンス・コード」など、世界に広がるサステナブル投資について、成り立ちや企業に与える影響について分かりやすく解説されている。

お金との付き合い方を考え直すきっかけだけでなく、金融の仕組みとそこに参加する面白さを実感できる一冊だ。

◆『ソーシャルファイナンスの教科書―――「社会」のために「あなたのお金」が働くということ』(河口真理子、生産性出版)
http://www.amazon.co.jp/dp/4820120433

editor

オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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