大阪府東部にある大東市。その住宅地に残る江戸時代の古民家「辻本家住宅」がこのほど、同市初の国登録有形文化財に認定された。まちの魅力を発信するスポットとして保存されるほか、住む価値のある街づくりの創造に一役買う。(オルタナS関西支局特派員=堀内 優子)
大東市はかつて、米や麻、レンコンなどの作物が豊富にとれた農村地帯だった。町には水路が張り巡らされ、とれた野菜を運ぶ「田舟」が行き交ったという。中でも、市の北西部にある御領地区は、鎌倉時代にはすでに集落が形成され、いまなお歴史情緒を色濃く残すエリア。ここで代々庄屋を務めたのが「辻本家」だ。
「辻本家住宅」は、天保5年(1834年)に建てられた木造の家屋。身分の高い客人用の玄関である「御輿寄(おこしよせ)」や、希少な「吹きガラス」が大広間の戸に使用されていることから、この地の重鎮だったことがうかがえる。
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