英国の現代奴隷法による日本企業への影響――下田屋毅の欧州CSR最前線(47)

下田屋毅
サステイナビジョン代表取締役
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下田屋 毅
(在ロンドンCSRコンサルタント)

現代にある特有な奴隷制について規制する法律である「Modern Slavery Act 2015 (現代奴隷法2015)」が、英国で2015年3月26日に制定された。この法案は企業に、サプライチェーン上の奴隷制を特定し、根絶するための手順の報告を求めるものだ。

Takeshi Shimotaya for Alterna

英国では、人身取引、強制労働、性的搾取等は大きな問題として認識されており、このような犯罪へ対応する形で、デイビッド・キャメロン首相は、「現代の奴隷制の根絶において、英国が世界をリード」することを表明、法案成立に向けて動き、世界で初めて現代奴隷制を規制する法律が制定された。

現代奴隷労働をしている人は、世界に2900 万人がいるとされる。英国内務省は、英国に2013 年時点で1 万人~1 万 3000 人が奴隷状態に置かれていると見積もっている。「現代奴隷法2015」では、現代における奴隷の定義を、(1)奴隷・隷属・強制労働、(2)人身取引、(3)搾取(性的搾取、臓器提供の強制等)と大きく3つに分けている。

現代奴隷法2015では、企業に「奴隷・人身取引声明」を会計年度に1度発行することを求め、企業のサプライチェーン上に、強制労働や人身取引などの人権侵害の有無やリスクを確認させるためのものである。

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下田屋毅
サステイナビジョン代表取締役
在ロンドン CSR コンサルタント。大手重工業会社に勤務、工場管理部で人事・総務・教育・安全衛生などに携わる。新規環境ビジネス事業の立上げを経験後、渡英。英国イーストアングリア大学環境科学修士、ランカスター大学MBA。欧州と日本の CSR の懸け橋となるべくCSR コンサルティング会社「Sustainavision Ltd.」をロンドンに設立、代表取締役。ビジネス・ブレークスルー大学講師。

2015年11月27日(金)14:08

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