途上国と消費者の課題を同時に解決――エシカルを前面に出さないマーケティング(2)[田口 一成]

田口一成
ボーダレス・ジャパン代表取締役社長
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まず一つ目は、マーケットサイズです。「エシカル」を前面に押し出すことで、確かにメディアにも取り上げもらえるかも知れませんし、ある特定のファンを獲得しやすくはなるでしょう。ただし、それでも「エシカルなものを買う」というエシカルマーケットはまだ小さいという現実から目をそらしてはいけません。「一人でも多くの貧しい人に仕事を創る」というのが事業の目的であればなおさらです。

2年で300名を超えたバングラデシュ自社工場の仲間たち

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そしてもう1つの理由は、僕がバングラデシュで働く工場の人であれば、「かわいそうだから買ってくれた」というのは嫌だから。「君たちの国の貧困をどうにかしたいから、一緒にがんばろう」と言われるのと「一緒に日本の消費者に人気の商品を生み出していこう」と言われるのではどちらがやる気を生み出すでしょうか?僕らがやりたいことは、「援助」ではなく「ともに自立の道を見つけて行くこと」なのです。

この事業のストーリーは、僕らが2011年にバングラデシュに現地視察に行ったことからはじまります。その後、貧しい農村部の女性たちに現金収入をもたらすために養蜂事業を試みたり、ココナッツオイルの事業化したりするなど様々な試行錯誤の末に見つけたのが「牛革」でした。

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田口一成
ボーダレス・ジャパン代表取締役社長
1980年生まれ。福岡県出身。早稲田大学商卒。大学2年時に、発展途上国で栄養失調に苦しむ子どもの映像を見て「これぞ自分が人生をかける価値がある!」と決意。25歳で創業。現在は、日本・韓国・台湾・バングラデシュ・ミャンマーで「人種差別」「貧困問題」「環境問題」などに対する9つのソーシャルビジネスを推進中。

2015年11月30日(月)15:54

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