企業家精神とサステナブル・イノベーションを考える

■日本企業に求められる、イノベーションと社会的課題の解決

小林氏は日本企業が直面している経済社会環境の変化を概観したうえで、企業の持続可能な経営には、短期的な利益追求だけではなく中長期的に効果をもたらすイノベーションの創出や様々な社会環境課題の解決が求められることを指摘しました。

世界経済フォーラムにおいて報告された非常に深刻な世界10大リスク には、水不足や、気候変動、異常気象による(洪水や火事などの)災害、食糧危機など、人口爆発や環境破壊が引き起こしたものが含まれています。今や地球は危機に瀕しているといえます。

一方、グローバル化が進むなかヒト・モノ・カネ・情報の移動はますます加速し、ICTの進歩は国境を越えてサイバースペースを拡大させています。しかし人間の経済活動は永久に右肩上がりに成長していくわけではありません。資源不足、エネルギー不足の問題も深刻です。

日本企業はとくにこれから少子高齢化、経済衰退の危機に直面します。新興国が台頭し、日本が得意としてきたものづくりは競争力を失いつつあります。

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齊藤 紀子(企業と社会フォーラム事務局)

原子力分野の国際基準等策定機関、外資系教育機関などを経て、ソーシャル・ビジネスやCSR 活動の支援・普及啓発業務に従事したのち、現職。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了、千葉商科大学人間社会学部准教授。

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