椿を軸に資生堂が描くまちづくり支援[荻布 裕子]

■子どもたちにも、椿に慣れ親しむ機会を

資生堂が行う地元の方との交流のなかでも、密な交流が続くのは大船渡市立赤崎中学校の生徒たちだ。次世代に復興を担うこどもたちに地域の椿への理解や愛着を深めてほしいと、椿の植樹とその後の育成を一緒に行ったり、生徒とのWEB会議を開いたり、生徒の詠んだ俳句を編纂した俳句集を贈呈したりなど、密な交流が続いている。

11月17日には、中学校周辺で生徒たちが拾った椿の実を使い、実から油を絞る体験会が行われた。当日は30人ほどの生徒が参加し、大船渡の伝統的な搾油機による搾油を見学した後、実際に家庭用の搾油機で搾ってみる体験を実施。搾油後には、実際の活用事例を知ってもらうため、「気仙椿ドレッシング」の試食も行った。

搾油体験会で、初めての搾油に挑戦する生徒たち

搾油体験会で、初めての搾油に挑戦する生徒たち

参加した生徒たちからは、「椿油が色々な物に使われているのを初めて知った」「椿の油を自分で出すという達成感を味わった」という声が聞かれ、皆貴重な学びの時間を楽しんでいた。一連の復興支援活動を中心となって進める資生堂CSR部の家田えり子さんも、「子どもたちが楽しんで椿に触れてくれてよかった。椿を育て、実を収穫し、実から油を搾るという一連の活動を体験することを通じて、より一層椿に関心を深めてもらい、椿で産業化を目指す大船渡市の後押しになればいい」と展望を語る。

ドレッシングの商品化には、まず椿油を資生堂パーラー銀座本店調理長が試食し、カレーやアイスクリームなどさまざまな試作を経て、椿油の香りやおいしさを伝えるにはドレッシングがベストだと判断したのだという。

商品開発を担当した資生堂パーラー 商品企画部新田里子グループリーダーも、「当初CSR部から椿油を使用した食品展開の話があったときは、椿油の供給面やコスト面、現地の反応など心配もあった。初めて商品化した2014年は早々に完売、2015年も継続して商品化できてよかった。これからも気仙地域の産業化に微力ながら貢献していきたい」とドレッシングを通じた復興に想いを寄せる。ただ美味しく体に良いだけでなく、地域に新たな産業が生まれ、真の復興に向かうための一手となるドレッシング。大切な人への贈り物にもおすすめしたい。

◆いわて三陸復興のかけ橋「復興トピックス」
http://iwate-fukkou.net/topics/

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一般社団法人 RCF
2011年4月、震災復興のための調査を行う団体として発足。現在は復興事業の立案・関係者間の調整を担う「復興コーディネーター」集団として活動。代表理事は藤沢烈。活動例として、2015年度はいわて未来づくり機構を母体とする「いわて三陸 復興のかけ橋プロジェクト」を岩手県より受託し、岩手県内各地と県外企業・団体の復興支援マッチングを推進している。

2015年12月15日(火)15:50

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