武器輸出「解禁」は日本企業のリスクとなるか

■民生品の転用抑止には「効果なし」?

「GCはとても良い発想だと思うし、武器による人権侵害に対して、ある程度の抑止効果は期待できるだろう。他方でGCは、非人道兵器に関係する企業を経済活動から締め出すのは良いが、例えばドローン兵器への民生品の転用などにはあまり効果がないのではないか」

こう指摘するのは、ジャーナリストの志葉玲氏。志葉氏はイラクやパレスチナなど紛争地での取材経験も豊富だ。

「すでに、パレスチナで見つかったイスラエルの無人攻撃機に、日本企業が製造したカメラが搭載されていた疑惑がある。NHKの報道番組に登場した防衛省の当時の装備政策課長は『イスラエルの実戦経験のある兵器と、日本の技術が結びつけば面白いことになる』と発言していた」(志葉氏)

現時点で武器の生産や輸出に関わっていない日本企業も、自社が製造販売する民生品が武器への組み込みや転用に用いられる可能性はすでにある。そのことは、例えばカメラのような精密機器でなくても、荷台に機関砲を載せた日本製の四輪駆動車が紛争地で戦闘車両として「活躍」していることを見れば明らかだ。

そして、自社製品が紛争地などで人権侵害に関わったとなれば、それは企業のブランド価値にとって当然リスクとなりうる。日本の武器輸出が本格化すればそうしたリスクも強まる、と考えることは不自然ではない。

ちなみに米欧が中心となり開発を進め、日本も次期主力戦闘機として導入予定の「F-35」の製造には、防衛装備移転三原則に基づき日本企業も参画する。日本経団連は昨年9月に示した「防衛産業政策の実行に向けた提言」の中で、「(日本企業による)他国向けのF-35の製造への参画を目指すべきである」と唱えた。

F-35はイスラエルも導入予定だ。志葉氏は「『メイド・イン・ジャパン40%』のF-35がパレスチナの人々を殺すことになる」と警鐘を鳴らす。

■武器転用を防ぐには

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2016年1月15日(金)10:38

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