米国:戦略的ファンづくり、MLBの地域貢献

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■試合当日にも野球教室

メジャー屈指の強打者カブレラは、自身のナイター試合の翌朝であっても、障がい児野球教室に出かける。試合形式では投手役を買って出て、障がいのある子どもが打ちやすいように、臨機応変に下手投げに変え、歩み寄ったりする。

子どもたちの打つ喜びは、そのままカブレラの喜びでもある。三振した子どもがベンチに帰ろうとすると、カブレラは「もう一回、もう一回」と言い、バットにボールが当たるまで付き合う。

筆者は90年代に日本のプロ野球を取材してきたが、試合当日の朝に選手が慈善活動をするのを見かけたことがない。しかし、メジャーリーグ球団では試合当日であろうとも、地域の人と接するイベントを企画し、協力を惜しまない選手が少なくない。

こうした活動を支えるため各球団には専門の職員がいる。メジャーリーガーと接する時間を最も必要としている地域や人を選び、適任の選手をチームの中から探す。スケジュール、準備や後片付けも引き受けて、地域の人だけでなく、選手にも気持ちよく活動してもらえるよう気を配る。

選手との素晴らしい時間を持った子どもたちはファンになるだろう。プロスポーツでは子どものファンが1人増えるごとに、2~3人の観客動員につながるといわれている。子どもだけではなく、家族とともにスタジアムに足を運んでくれるようになるからだ。(米デトロイト=谷口 輝世子)

※この記事は、オルタナ40号(2015年3月30日発売)「オープン・ソーシャル・イノベーション5つの条件」のsocial business around the worldで連載したものを転載しました。
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2016年3月14日(月)10:00

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