エシカルは変わり者から「主役」に

サステナX

2024年秋のフジテレビドラマ「わたしの宝物」では、アイドルグループSnow Man(スノーマン)の深澤辰哉さん演じる主要登場人物は「フェアトレード会社の経営者」であることがメイン設定として描かれている。(認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン事務局長=潮崎 真惟子)

初回放送でもフェアトレードという言葉が何度も出てきた。2023年TBSドラマ「王様に捧ぐ薬指」では人気俳優の橋本環奈さん演じるヒロインに別れ際に妹がポーチを「フェアトレードの!」というセリフ付きでプレゼントする場面が描かれた。

振り返ると、2018年のauのCMでは俳優の神木隆之介さん演じる高校生の高杉くんが購買で「これはフェアトレードのバナナですか?」と尋ね、それを見ていた女子生徒が「意識高すぎ、高杉くん」と呟くシーンがあった。

当時、フェアトレードを意識することは「変わり者」キャラクターの特徴として描かれたわけだ。しかし今は、共感集めるヒロイン・ヒーローの誠実な人柄を表す設定として自然に使われるようになった。視聴者たる一般市民の意識変化がここに表れている。

shiozaki

潮崎 真惟子(認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン事務局長)

デロイト、オウルズコンサルティングにて企業・政府・NPOに対する事業戦略やサステナビリティ分野のコンサルティングや人権デュー・ディリジェンス事業に従事し、2021年より現職。「児童労働白書2020」執筆

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