FITの入札制度は「ご当地電力を締め出す」

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自然エネルギー電力の買取に関する再エネ特措法(FIT法)の改正案が2月に閣議決定された。これにより、改正FIT法が2017年4月に施行される見通しだ。FIT(固定価格買取制度)にともない需要家(消費者)が負担する賦課金の抑制を目的に、新たに入札制度が盛り込まれる。ところが入札制度は「地域エネルギー事業を潰す」との指摘が挙がっている。(オルタナ編集委員=斉藤円華)

■買取価格決定に市場原理を導入

日本国内の大規模太陽光発電施設(Wikimedia Commons.)

日本国内の大規模太陽光発電施設(Wikimedia Commons.)

FIT電力が増えれば買取費用も増加する。そのため国などは消費者が負担する賦課金も大きくなると指摘。改正FIT法は、自然エネルギーの導入拡大と賦課金抑制の両立が大きな柱だ。その方策の一つとして導入されようとしているのが入札制度である。経産省は入札制度の対象を、当面は大規模太陽光としている。

これは国が買取量や上限価格などの条件を指定し、事業者が希望買取価格と発電出力を入札するもの。より低い買取価格を提示した事業者から落札されるしくみだ。

従来、FITによる買取価格は毎年改定され、事業用太陽光では当初の1キロワット時当たり40円(税別)から同24円に引き下げられている。にもかかわらず入札制度が導入されるのは、買取価格の高い未稼働の発電設備への対応が大きな理由となっている。

設備認定を受けているのに発電していないメガソーラーが膨大な規模に上る。設備認定済の自然エネルギー発電施設で稼働しているのは、昨年時点で全体の3割どまり。約6千万キロワットある未稼働設備の実に55%をメガソーラーが占めている。

国は今年度末の段階で稼働のメドが立たない発電設備に対して、認定の取り直しを求める。その際、買取価格の決定に入札制度を用いて買取価格の引き下げを狙っているのだ。

「未稼働設備は今年度末までに接続契約を完了していなければ認定が取り消され、より厳しい条件で認定を取り直す必要がある」。NPO環境エネルギー政策研究所(ISEP)主席研究員の松原弘直氏は話す。

■小規模事業者が締め出される恐れ

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2016年4月25日(月)11:30

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