「国際環境映像祭」、気候変動の加速化で応募が最多

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パプア・ニューギニアの先住民が彼らの森の意味と森林伐採の悲劇を伝える「森からの声」(監督:Marc DOZIER, Luc MARESCOT)

世界の環境問題を映像化した作品を集めた第5回「グリーンイメージ国際環境映像祭」が3月23日から3日間、日比谷図書館文化館(東京・千代田)で開催される。これまで最多の53の国と地域から214作品の応募があり、そのうち17の受賞作品を上映する。気候変動が加速していることなどから応募が増え、特にCO2吸収源として重要な役割を果たす森林を扱った作品が目立つ。同映像祭では、「グリーンファイナンス」など環境問題に関わる経済的側面を考えるシンポジウムも期間中に行う。(箕輪弥生)

同映像祭では、その時々の環境問題を反映された作品が多く見られる。前回は海洋汚染や福島の原発事故に関する映像が多かったが、今回はパリ協定の発効や気候変動の深刻化などにより、森林の現状を捉えた映像が目立った。パプア・ニューギニアで森と共に暮らす先住民をテーマとした作品から、アマゾンやボルネオの熱帯雨林の伐採を扱った作品まで、森の重要性をさまざまな角度から訴える作品が揃う。

40年以上にわたりウラン採掘が行われているアフリカ・ニジェールのある地域を、ここを故郷とする女性監督が描く「風砂の町」(監督:Amina WEIRA)

初のアフリカからの受賞作も2つある。ニジェールのウラン採掘の街を追った作品や、モザンビークのマングローブ林の伐採の現実を描く映像だ。前者は女性監督によるものであり、作品の多様性も広がった。

このほか、日本からもダム計画や福島の生き物を記録したもの、渡り鳥の生態から湿地の重要性を解く作品、野生のツキノワグマの生態を追ったドキュメンタリーなど4作品が受賞した。

最終日には環境問題を解決する上で重要度が高まる、技術の進歩や経済的な側面を含むシンポジウムを行う。環境問題では問題解決に必要な資金をいかに調達するか、また貨幣価値を電子化した決済システムなど新しい技術の導入も解決のカギを握る。同映画祭実行委員会の尾立愛子事務局長は「環境問題は経済の問題でもある。シンポジウムでは伝統的な知識から新しい科学技術まで、地域にあった問題解決のヒントを探りたい」と話す。

同映画祭は国連環境計画(UNEP)とも覚書をかわし、今後環境問題を可視化する映像を連携して国内外に広く紹介する。国内では過去の受賞作を含めた作品も貸出も行い、映像を使った環境教育や啓発活動も重視していきたい意向だ。

◆第5回「グリーンイメージ国際環境映像祭」 

2018年3月21日(水)9:00

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