拡大版SDGsアクションプラン2018

■ 拡大版SDGsアクションプラン2018の注目点
この拡大版プランで上記の3本柱に肉付けされた重要項目は次のとおりである。

・「Society 5.0」の推進では、日本の技術力を活かし国際社会で「SDGsの
ための科学技術イノベーション(STI)」を主導する。
・SDGsを原動力とした地方創生では、29自治体を「SDGs未来都市」に選定・発表した。
・SDGsの担い手である次世代・女性のエンパワーメントでは「次世代のSDGs推進プラットフォーム」の立ち上げを年末までに準備し、女性の活躍を官民リーダーが力を合わせ主導する「WAW!・W20(G20エンゲージメント会合)」を開催する。

国際関係では、G20サミット・閣僚会合開催地(大阪)から,SDGsの取組を発信するほか、2025年万博誘致関連でもSDGs推進を発信する。

特に、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を「SDGs五輪」にする。この関連では2020年東京オリパラ大会のための『持続可能な運営計画(第二版)』が6月11日に公表された。「Be better, together/より良い未来へ、ともに進もう。」を東京2020大会の持続可能性コンセプトとし、持続可能性に配慮した競技大会を目指す意義としてSDGsへの貢献を明確化した。

五輪は世界への発信性と国内での盛り上がりが期待できる巨大イベントである。これを「SDGs五輪」にすると明確に打ち出した意義は極めて大きい。2020年までにという「締め切り効果」も期待できる。

■ SDGsプラットフォーム
このような中で、社会に広がるSDGsに関連した取組を幅広く紹介することを目的に運営する「ジャパンSDGsアクション・プラットフォーム」の形成も上記プランに盛り込まれ、6月29日に外務省が立ち上げた。

このサイトでは、SDGs事例として、企業、自治体、NPO/NGO、教育・研究機関、メディアなどのステークホルダーの取り組みとリンクが張られ、事例集としても使い勝手のいいものになっている。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/SDGs/index.html

今後、英語版の充実が望まれるが、SDGs展開に役立つサイトで、筆者の言う意味でのプラットフォーム=「活動の共通基盤」になっていくことが期待される。

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笹谷 秀光(CSR/SDGsコンサルタント)

東京大学法学部卒。1977年農林省入省。2005年環境省大臣官房審議官、2006年農林水産省大臣官房審議官、2007年関東森林管理局長を経て、2008年退官。同年~2019年4月伊藤園で、取締役、常務執行役員等を歴任。2020年4月より現職。著書『CSR新時代の競争戦略』日本評論社・2013年)、『協創力が稼ぐ時代』(ウィズワークス社・2015年)。『 経営に生かすSDGs講座』(環境新聞社・2018年)、『Q&A SDGs経営』(日本経済新聞出版社・2019年)。 笹谷秀光公式サイトー発信型三方よし 執筆記事一覧 

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