2013年以降の地球温暖化対策を協議するため、中国・天津で約1週間にわたり開かれた気候変動枠組み条約の特別作業部会は10月9日、目立った成果のないまま閉幕した。今年11月から12月にかけてメキシコ・カンクンで開く同条約の第16回締約国会議(COP16)での決着は難しい状況になった。
気候変動交渉の重要会合の中国での開催は今回が初。ところが世界全体の温暖化ガス排出量の半分を占める米中2国間で意見の対立が目立った。米国など先進国は、中国など開発途上国に削減義務を課すことを主張。しかし中国は先進国のみが削減義務を負うことを求めた。
前回のCOP15でも枠組み作りは失敗しており、COP16での交渉妥結ができなければ、2013年以降に国際的な枠組みがなくなる「条約の空白」が生じる可能性もある。(オルタナ編集部=石井孝明)2010年10月12日