「マイボトル+水道水」でペット削減キャンペーン

水道水の活用を推進するNGO「水Do!ネットワーク」が、今年の春に立ち上げたプロジェクト「リフィル・ジャパン」で、水道水の給水スポットの拡大を目指す。公共の水飲み場や協力店舗など、冷水や温水を無料でくめるスポットをウェブで紹介し、「マイボトル」給水できる機会を増やして環境負荷を軽減する狙い。地域単位の活動も金沢市や熊本市、奈良県生駒市など全国に広がりつつある。(海洋ジャーナリスト/オルタナ編集委員=瀬戸内千代)

運営団体である水Do!ネットワークは、約10年前から「水の域産域消」を訴え、公共インフラである水道の活用を推進してきた。

リフィル・ジャパンは、マイボトルに無料で水をくめる給水スポットを日本全国に広げる目的で、今年5月に水Do!ネットワークから派生した。ペットボトルなど使い捨て容器入り飲料の利用削減による環境負荷の低減と魅力的なまちづくりを目指している。

環境省の試算によると、ステンレス水筒(真空構造)、アルミ製水筒(1層構造)を100回使用した場合の1回使用あたりの二酸化炭素排出量は、ペットボトルより低い。

リフィル・ジャパンに応援メッセージを寄せた水ジャーナリストの橋本淳司氏は、「水質の検査項目は、水道水は51、ペットボトルは39。さらに共通する基準値7項目を比較してみると水道水のほうが厳しい」「1リットルあたり、東京都の場合は水道水0.24円。ペットボトルの場合100円」と、水道水の利点を指摘している。

マイボトルに給水する人が増えれば、ペットボトル削減はもちろん、飲料の使い捨て容器全般を減らすことができ、資源の節約や、ごみの削減にもつながる。

リフィル・ジャパンには10月17日現在、119の公共の給水スポットと89の店舗等の給水スポットが登録されている。給水推進の活動拠点として、地域内に事務所を設けた所も全国8カ所にのぼる。東京、生駒、香川、鎌倉、金沢、京都、大阪、熊本のうち、奈良県の生駒市は自治体が参画している。

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瀬戸内 千代

オルタナ編集委員、海洋ジャーナリスト。雑誌オルタナ連載「漁業トピックス」を担当。学生時代に海洋動物生態学を専攻し、出版社勤務を経て2007年からフリーランスの編集ライターとして独立。編集協力に東京都市大学環境学部編『BLUE EARTH COLLEGE-ようこそ、地球経済大学へ。』、化学同人社『「森の演出家」がつなぐ森と人』など。

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