「SDGs」「気候変動」、各国の義務教育で必須に

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■自国の適応を中心に学ぶカンボジア

カンボジアでは今夏、熱波により学校が短縮授業を強いられた。過去4年間で2度目のことだ。気候変動は国の存亡に関わる問題と捉えられ、温暖化に対応するための知識やスキルを習得し、影響を軽減する技術を開発する必要に迫られている。

EU、スウェーデン、国際連合開発計画の協力を得て、気候変動を組み入れた地球科学の科目が新たに増補された。来年度より高校で授業が行われ、50万人以上の生徒が学習する予定だ。気候変動の原因や、自国が抱える脆弱な側面を把握し、気候変動への適応や、温室効果ガス排出削減のための技術や取り組み方を学ぶ。

環境省と教育省とが協働し、「エコスクール」も立ち上げた。学生と教師が共に環境問題や気候変動問題に取り組むための一方法だ。環境省・気候変動局下のカンボジア気候変動同盟が支援し、現在15校が試験的に運営されている。ここでは知識の習得だけでなく、植樹や気候変動対応型農業なども実践する。理論と実践の両方を組み合わせた教育が行われてこそ、気候変動の対応に効果的な教育と考えられている。

カンボジアの「エコスクール」15校のうちの1校
© GCCA+ Kimlong Meng 2018

■日本では、新教育指導要領の基本理念に

DESDを提唱した日本でも、新教育指導要領などの全体の基盤となる理念として、持続可能な開発のための教育(ESD)が掲げられている。各教科を横断的に学び、持続可能な社会の担い手を育成するESDに引き続き取り組み、SDGsの全17目標の達成に近づく。各生徒が取り組むESDがどのようにSDGsに貢献しているかを検証し、その意義や方向性を修正しつつ学習を進める。

今回のイタリアの環境教育改革をリードする、ロレンツォ・フィオラモンティ教育相は、学校教育の核に環境と社会を据えることを明言。他国も気候変動・SDGsを学習することの重要性を認め、義務教育に取り入れ始めた。一方、2018年に発表された、IPCCの『1.5度特別報告書』では、気温上昇を1.5度未満に抑えるためには、向こう約10年間で世界のCO2排出量を半減する必要性があることが示唆されている。

イタリア政府をはじめとする各国の環境教育への努力は研究者や専門家に評価されているものの、温暖化への対処は次世代まで待つことはできないと警告する声も上がっている。

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2019年11月22日(金)21:14

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