アイスの賞味期限表示は時代に逆行している

新しい日付の商品を選ぶ消費者が増える

牛乳など他の加工食品と同様、客は陳列棚からわざわざ日付の新しいものから選び、その結果、古い日付の商品の返品・廃棄が増えるのは必至だ。これが他のアイスメーカーに拡大すれば、その傾向はさらに顕著になろう。それだけに明治の責任は重たい。

食品ロス問題ジャーナリストの井出留美氏は「デンマークなど欧州では、加工食品の賞味期限表示をアバウトにすることで、実際に食品ロスが2割減ったという調査結果が出ている」と話す。

欧州では、加工食品の賞味期限表示の横に「期限を過ぎていても食べられることもあります」や「色や臭いなど五感で判断して下さい」などの説明書きを添えることも珍しくないという。

森永乳業のホームページでは、アイスの賞味期限について、次のようなQ&Aを掲載している。

Q: アイスに賞味期限がないのはなぜですか。
A: アイスクリームは冷凍庫(‐18℃以下)にて保管した場合、風味や色の変質がほぼ生じません。そのため賞味期限の記載が免除されています。また食品衛生法においてもアイスクリーム類・氷菓については、このような理由から賞味期限の記載を免除されています。

ハーゲンダッツアイスクリームも、ホームページで下記のように表示している。「ハーゲンダッツは賞味期限を記載していません。-18℃以下で保存されていれば、保管期間の長さによる品質変化は極めて少ないからです。法律でもアイスクリームは製造日や賞味期限表示の省略が認められています」

■顧客ニーズに惑わされると社会ニーズを見失う

もう一つの教訓は、「顧客ニーズがすべてか」という問題だ。これまで特に消費財メーカーやサービス・小売業にとって顧客の要望やニーズに応えることが、業績を伸ばし、企業価値を高める最大の手段とされていた。

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2020年1月29日(水)11:21

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