花王は4月23日、「花王統合レポート 2020」「花王サステナビリティ データブック Kirei Lifestyle Plan Progress Report 2020」を同社ウェブサイトで公開した。そのなかで、2019年4月に発表したESG(環境・社会・ガバナンス)戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)の進捗状況を公表。同社は「ESG視点のよきモノづくり」(ESGよきモノづくり)を進めていく方針だ。(オルタナ副編集長=吉田広子)
ESG戦略Kirei Lifestyle Planは、ビジョン、2030年までの3つのコミットメント、重点取り組みテーマである19のアクションで構成されている。
コミットメントは、「2030年までに10億人のこころ豊かな暮らしに貢献すること」「2030年までにすべての花王ブランドで生活者が意味のある選択をできるように提案すること」「2030年までにすべての花王製品を全ライフサイクルで科学的に地球が許容できる範囲内の環境フットプリントにすること」の3つだ。
今回公開されたデータブックでは、19の重点取り組みテーマの2019年度実績の一部が公表されている。
例えば、花王ユニバーサルデザインガイドラインに適合する新製品・改良品を2030年までに100%にすることを目指しているが、その途中経過として2019年度実績は44%であったことを報告している。
人権デュー・ディリジェンス対応実施率100%という目標に対しては、現時点で社内100%、サプライヤー20%、委託先0%達成したことを公表している。
このほか、花王は「ESG視点のよきモノづくり」の第1弾注力アクションとして、プラスチック循環型社会に向けた「リデュースイノベーション」「リサイクルイノベーション」を掲げているが、重点取り組みテーマの一つ「ごみゼロ」に関連する「廃棄物量」と「革新的なフィルム容器の年間普及量」の実績は2021年に開示予定だ。
デイブ・マンツ・花王執行役員ESG部門統括は、「2019年は、ESG 視点の『よきモノづくり』を進めるうえで、最も効果的で花王らしい活動が何かを議論し、実践に移してきた。科学的根拠に基づくCO2排出量削減目標であるSBTイニシアチブの公式認定取得をはじめ、具体的な目標を掲げて取り組みを進めている。実行にあたっては、社員のエンゲージメント向上が重要で、社内での啓発・対話にも注力している」とコメントしている。