味の素社長「新型コロナと闘う人のウエルネス実現」

海外では、ブラジルでの医療機器購入資金の提供、ペルーでの貧困家庭向けインスタント麺やスープ、ご飯、サラダの味付け用調味料の提供、インドネシアでの医療関係者や医療ボランティア向けの製品提供、フィリピンでのロックダウン地域向けの米飯に栄養を付加するトッピングミックスの提供などを実施した。

今後のコロナとの共存期の闘いの具体策として、5月初旬にグローバルコミュニケーションを改訂し「世界中のお客様に栄養バランスの良い食事と穏やかな毎日をサポートしたい」と呼びかけていること、減塩や高齢者の低栄養解決の健康価値製品、Eコマース・ネットスーパー・宅配チャネルの重点化を掲げた。

2020年3月期決算は、国内外の外食用調味料・加工食品・冷凍食品の販売減少が影響し減収増益となった。2021年3月業績予測は、同社がビジネスを行う日本、米国、欧州、アセアン諸国、南米の経済回復が2021年以降になると想定し減収減益としている。

西井社長は、「2020年度は厳しい業績見通を立てざるを得なかった。しかしこの環境は、『食と健康の課題解決』企業に生まれ変わるアクセルを吹かす『機会』でもあると捉えている。味の素バイオファーマサービス(米国)は、CytoDyn社とCOVID-19臨床試験で使用される抗体治療薬「レロンリマブ」の製造パートナーシップ契約を締結したという明るいニュースもある。2021年度には必ずV字回復を成し遂げ、中期経営目標を達成する」と締め括った。

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室井 孝之 (オルタナ総研フェロー)

42年勤務したアミノ酸・食品メーカーでは、CSR・人事・労務・総務・監査・物流・広報・法人運営などに従事。CSRでは、組織浸透、DJSIなどのESG投資指標や東北復興応援を担当した。2014年、日本食品業界初のダウ・ジョーンズ・ワールド・インデックス選定時にはプロジェクト・リーダーを務めた。2017年12月から現職。オルタナ総研では、サステナビリティ全般のコンサルティングを担当。オルタナ・オンラインへの提稿にも努めている。執筆記事一覧

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キーワード: #新型コロナ

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