鎌倉市とホンダが「リモートワークとEV」で連携へ

鎌倉市と本田技研工業が「リモートワークとEV」をテーマに連携する。鎌倉に移住を検討している人に新EVと住まいを一定期間貸し出し、「試住(しじゅう)」してもらう。ホンダは8月に新型EV(電気自動車)の「Honda e」を発表したが、これを機に地方自治体との連携も進める。(寺町 幸枝)

ホンダが展開するwith Project

鎌倉市は、市を挙げて「リモートワーク」を推進している。2016年から「働くまち鎌倉」を掲げ、ベッドタウンとしてだけでなく、市内を働く場とする企業誘致に積極的だ。

ホンダは8月末、新型EV(電気自動車)「Honda e」を発表した。新EVは「シームレスライフ」をテーマに「都市生活者向け」をコンセプトにした。これを機に「with プロジェクト」を立ち上げ、シームレスな生活のパートナーとして、さまざまな地域と連携していく。

ローカルで新しい働き方を「試住」体験する「自分らしい働き方 with ホンダe」では、鎌倉市で実証実験を行うことになった。同様に、金沢市では「ローカルツーリズムやアート」をテーマに実証実験を行う。

このプロジェクトを鎌倉でサポートするのは、 採用や人材育成・研修、労務管理などを手掛ける「ヒトノコト」(鎌倉市)の渡辺みさき代表だ。渡辺さんがこのプロジェクトに関わるきっかけとなったのが、自身が運営チームの一人として関わっている地域型異業種ネットワーク「KAMACON(カマコン)」だった。

KAMACONが後押しするローカルプロジェクト

KAMACONのロゴ

カマコンは「この街を愛する人を全力で支援」そして「ぜんぶジブンゴト」という2点を大切にしたビジネスコミュニティとして、2013年に創設された。

カマコンでは、アイデアがある人がプレゼンテーションをし、それに対して会員が知恵を出し合って実現を目指す。メンバーには、面白法人カヤックなど鎌倉を拠点とする企業や、鎌倉の住民だけでなく、都内・県内からも参加がある。

今回Honda eの関係者がカマコンを巻き込み、この実証実験プロジェクトを立ち上げた。鎌倉側のお膳立てを引き受けた渡辺さんは、鎌倉在住歴30年を越え、鎌倉市が主催する「鎌倉テレワーク・ライフスタイル研究会」のメンバーだ。

カマコンのネットワークを最大限利用することになるが、まだHonda eのプロジェクト内容の詳細は明らかにはなっていない。

渡辺さんは、「Honda eは小型でとにかくフットワークが良いと聞いているので、EVに乗ってあちこちへ出向き、オンラインでは(世界と)繋がるような生活を送ってほしい。新しい仕事の仕方が見つかると思う」と期待する。

「人のココロとつながるクルマ。」をコンセプトにしたHonda e

このコロナ禍で「鎌倉には閉塞感が全くないことに改めて気付いた」と話す。多くの人がリモート生活を体験することで、これまで移動に使っていた時間を別の時間に使えるようになって、心の余裕が生まれたという人も多い。

充実した補助金が後押しに

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