スイス、カーシェアリング最大手が全車をEV化へ

カーシェアリングの発祥国といわれるスイスでは、その利用者が増え続けている。国内最大規模の事業を展開する協同組合「モビリティ」は現在3120台を提供しており、このうち130台が電気自動車、100台がバイオガス車だが、2030年までに全車を電気自動車にすると宣言した。(チューリヒ=岩澤里美)

真っ赤な車体が特徴のスイス・モビリティ社の車 ©Mobility Cooperative

真っ赤な色で知られるモビリティの車は、スイスの都市部でよく見かける。2019年の年次報告書によると、利用者は同年に22万4千人に達し(スイスの人口は約860万人)、同社の車1台につき自家用車11台分の節約になっているという。モビリティと公共交通機関とを合わせて利用すれば、車を所有するよりも年間平均46万円以上節約できるという。

社会全体の車の数を抑えられる点、経済的な利点に加え、もちろんCO2排出量削減にも貢献している。年間3万1千トン、35リットルのごみ袋に換算して4億6千万個分ものCO2の排出を抑えている。

その同社は8月末、環境保護に最善を尽くすため、遅くとも2030年までに全車3120台を電気自動車に切り替えると発表した。課題は、再生可能エネルギーの電力を充電するスタンドの設置だという。費用が高い上、モビリティの駐車場は所有ではなく賃貸のため設置が複雑になる。

同社は目下解決策を探しているところで、EV充電が簡素化・標準化され、公的機関もインフラ整備に協力してくれればと願っているという。これが実現すれば、パリ協定の達成目標のCO2排出量の実質ゼロ(気候中立)を2040年までに達成できるとしている。

2020年10月6日(火)7:00

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