瓦礫となった廃木材で避難所にお湯を

瓦礫となった廃木材を燃料にする「焚き火ボイラーかまど」の設置が岩手県大槌町で始まった。被災地で燃料が不足する中、注目されそうだ。

「焚き火ボイラーかまど」は熱効率が高い設計で、大量の湯沸かしと調理用の熱源としての利用が可能。設置も15分ほどで出来る。U字側溝の内側で廃木材を燃やし、さらに耐火コンクリートで蓋をすることで、360リットルの水を1時間で40度に、2時間で80度まで沸かすことができる。

設置に必要な資材は、岩手・木質バイオマス研究会の会員でもある佐藤築炉工業と岩手県建設業協会遠野支部が無償で提供し、設置も行う。

発案者は、岩手県県南広域振興局遠野農林振興センターの深澤光さん。以前から森林再生の視点で、著書や講演活動をとおして“薪のある暮らし”を提案してきた。自身も、東京に向かう道中で被災し、福島県内で2日間の避難所暮らしを余儀なくされたという。

薪活用に関する知識と避難所における生活が、「焚き火ボイラーかまど」の発案につながった。現在、7台の設置依頼があり、大槌町内にある39カ所の避難所(3月22日現在)を中心に設置を進める。(枝松麗)

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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