「知事たちにも焦燥感。遅々として進まない国の対応に、しびれ切らす」――6県知事、がれき広域処理で民主党と環境省に対応と説明を要請

長野県の阿部守一知事

長野県の阿部守一知事と鳥取県の平井伸治知事は11日、民主党と環境省を訪れ、災害廃棄物の広域処理について共同で新たな対応と説明を要請した。

これは、国からの災害廃棄物の広域処理受け入れの協力要請に対し、放射線規制値の基準の見直しや最終処分場の確保、財政支援について明確な対応を求める内容となっている。

今日、提出した要請文には三重県の鈴木英敬知事、徳島県の飯泉嘉門知事、高知県の尾崎正直知事、広島県の湯崎英彦知事が署名している。

政府・環境省は一貫して、震災がれきを全都道府県で処理するよう、各地方自治体の首長にがれき受け入れに対する要請している。

これに対し、長野県の阿部守一知事は「国民性を持ち出す前に、国は丁寧に計画を練り直し、説明責任を果たすべきだ。この問題を国家的課題だと受け止めており、被災地の力になりたいと思っている。今日は、協力に必要な条件を伝えにここに来た」と思いを語った。

一方、鳥取県の平井伸治知事は「知事たちにも焦燥感がある。遅々として進まない国の対応に、しびれを切らしている。問題意識を共有できる知事と手を組み、国と談判する必要を感じた」と共同要請に至った経緯を説明した。

「県知事のネットワーク内には、被災地周辺でかなりの量のがれきを処理できるという情報もある。政府の見解とは食い違っており、すり合わせが必要だと高山智司環境大臣政務官に伝えた」と続けた。

今後の方針について、阿部知事は「今は受け入れる、入れないという話をする時期ではない。まずは、共同要請に対する回答を待つ。その上で県内の状況や県民の気持ちを総合的に判断し決めたい」と述べるに留まった。

すでにがれきの受け入れを表明した米子市を抱える鳥取県の平井知事は「受け入れる方向で、市町村や企業まわりをしている。ニュートラルに受け入れを検討してくれるものもいる。ただし、自治体が独自に定めた放射線規制値に対する基準を国が容認し、支援体制を整備することが不可欠だ」と述べた。(オルタナ編集部=赤坂祥彦)

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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