記事のポイント
- Z・ミレニアル世代は職場環境の改善に対照的な行動を取ることが分かった
- Z世代は理想的な働き方の実現を目指し、声を上げる傾向にある
- 一方、「組織は変わらない」と諦めてしまうミレニアル世代は多い
デロイトトーマツグループはこのほど、世界44カ国のZ・ミレニアル世代を対象にした意識調査を行った。その結果、日本のZ世代とミレニアル世代では、職場環境の改善に関して、対照的な行動を取る傾向にあることが分かった。両世代はどちらもワークライフバランスを重視するが、声を上げて企業を変えようとするZ世代に対して、ミレニアル世代は「硬直した組織を変えることはできない」と諦める傾向にあった。(オルタナS編集長=池田 真隆)
デロイト トーマツグループが公表した「Z・ミレニアル世代年次調査」では、世界44カ国のZ・ミレニアル世代約2万2856人を対象に調べた。Z世代とは、1996年から2010年に生まれた世代(13歳~27歳)を指す。ミレニアル世代は、1981年から1995年に生まれた世代(28~42歳)だ。
日本を含めたグローバル全体で、Z・ミレニアル問わず最大の関心事は、「生活費の高騰」だった。世界的なインフレの影響で、「今後景気が悪化する」と答えた割合が最も多く、自身の将来のキャリアに対する不透明さに多くの人が不安を抱いていることが明らかになった。
■ミレニアル世代、勤務形態の理想と現実に悩む
勤務先を選んだ理由について調べた設問では、両世代とも仕事と生活のバランスが取れた状態である「ワークライフバランス」を重視した。
Z世代は、企業に対する期待値が高く、職場環境を改善するため声を上げる傾向にある。一方、日本のミレニアル世代は「業務が硬直的なので、そのような施策は不可能」という企業に対して悲観的な回答が最も多かった。
