現行の条項案については、他の交渉参加国を含む多方面からの反対を受けながらも、米国は代案を示していない。これは時間稼ぎであり、2013年10月の妥結を目指し、各国を当初の条項案受け入れに追い込もうとしていると、MSFは見ている。
MSF日本必須医薬品キャンペーン渉外担当のブライアン・デイビス氏は「交渉が時間切れになり、協定が拙速に調印されれば、アジア太平洋地域で暮らすすべての人にとって、手ごろな価格の薬は入手困難になるだろう。MSFが日本をはじめとする交渉参加国に求めることは、協定書への調印などではなく、大勢の命を脅かすことになる条項案の拒絶である」と訴えている。(オルタナ編集部=副島久仁彦)