記事のポイント
- 日本でLGBTQの割合は9.7%とされるが、当事者を取り巻く問題は根深い
- 同性婚や性別変更のための生殖不能要件を巡り「違憲」判決が相次ぐ
- 司法が一石を投じようとしている
「LGBT理解増進法」が6月23日に公布され、同日に施行された。修正が加えられるたびに後退する法案に対し、当事者らは「差別を助長しかねない」として、強く抗議していた。一方、同性婚や性別変更のための生殖不能要件を巡り「違憲」判決を出すなど、司法が一石を投じようとしている。(オルタナ副編集長・吉田広子)
「LGBTQ+調査2023」(電通グループ)によると、日本でLGBTQ当事者層の割合は9.7%とされる。しかし、LGBTQを取り巻く問題は根強く残る。
当事者や支援団体らは「差別を禁止する」法律を求め、長年にわたり活動してきた。しかし、最終的に「理解を増進する」法律として、2023年6月にLGBTQ理解増進法が成立した。当初よりも後退したものの、企業や自治体、教育機関に対する努力義務規定は盛り込まれた。当事者らは「適正に運用されるように、声をあげてほしい」と訴えを続ける。
こうした中、同性婚を認める規定がに状況は「違憲」(状態)だとする判決が相次ぐ。札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の5つの地方裁判所で判決が言い渡され、違憲2件、違憲状態2件、合憲1件となった(23年12月現在)。
東京の二次訴訟では、東京地裁が24年3月に判決を言い渡す予定だ。
(この続きは)
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