7月の参院選に向け、脱原発を掲げる候補者や政治家の支援を目的とした政治団体「脱原発政治連盟」が発足した。略称は「緑茶会」で、米国の保守派政治運動「ティーパーティー(茶会)をもじった。24日に開かれた設立集会では、第一次推薦候補者として選挙区で16人、比例区で24人の合計40人を発表した。
緑茶会では、所属する政党や団体を問わず(1)原発の再稼働(2)核燃料の再処理(3)原発の海外輸出、の3点に反対する候補者を選出し応援。候補者に対しては政治資金、ならびに同団体が作成する「脱原発有権者名簿」を提供する。
参院選で脱原発勢力が過半数を占めるには少なくとも61議席が必要として、緑茶会では選挙区で35、比例区で26の議席を獲得することを目標に、推薦候補者の上積みを行うとしている。
「昨年末の衆院選では自民党が圧勝したが、決して有権者が自民党を選んだわけではなく、むしろ前回の衆院選よりも票を減らしている。脱原発勢力が自ら散り散りになり、そのことに嫌気がさした有権者が棄権した結果だ」。緑茶会設立集会の冒頭、竹村英明代表は脱原発勢力が惨敗した理由をこう分析した。
参院選に向けては政党間で「みどり連合」の構築に向けた動きがあるものの、特定の政党を軸とするか、あるいは統一名簿による「オリーブの木」方式とするかで意見の隔たりが埋まらず、政党によっては同連合の構築に距離を取る気配さえうかがえる。
「(選挙区で)自民党に勝つには、複数政党で乱立するのではなく、候補者を一人に絞り込むことが重要であることは、誰でもわかる」。設立集会で配布された資料には、参院選へ足並みが揃わない政党に対して、候補者の一本化を促す文言が並んだ。
動きが鈍い政党に代わり、脱原発のために働く政治家や候補者を市民が直接支える仕組みとして登場したのが緑茶会だ。同団体の呼びかけ人の一人で前日弁連会長の宇都宮健児氏は、集会のあいさつで「党派を超えた連携協力だけでなく、それを支える大衆運動が必要だ」と語った。(オルタナ編集委員=斉藤円華)