フランスの世界最大屋外広告会社ジェーシードゥコーはこのほど、2003年に自転車シェアリングサービスを開始以来、自転車貸出総数が全世界で3億回に達したことを発表した。2012 年は1秒当たり2台の自転車が貸し出された計算になる。
ジェーシードゥコーの自転車シェアは、地域で優先的に広告を設置できる権利と引き換えに、同社がシステム運営に掛かる経費を負担している。2003年にオーストリア・ウィーンで開始以来、ヨーロッパおよびアジア太平洋地域の 10 カ国66 都市で、4万6536 台の自転車、3882 カ所のステーションを展開し、登録者数は55 万人に上る。
2010 年からは、登録者に自転車の空き状況やステーションの場所などがわかる無料のアプリケーション「AllBikesNow」を提供し、世界中の利用者がアイフォンやアンドロイド端末でダウンロードできるようになった。
2011 年から 2012 年にかけての平均貸出の伸びはフランスで9%、フランス以外の国々で4%、合計で 7%だった。同社は、この成功は、価格戦略、銀行カードによる支払いシステム、市発行のシーズンチケットとの連携、登録の簡便性(インターネット経由)、ステーションの近接性など、シンプルで使いやすいサービス内容によるものだとしている。
自転車シェアは既存の公共交通を補完するだけでなく、毎年 3万3899 トンの二酸化炭素を削減すると推計され、環境保護にも役立っているという。
取締役会長・共同 CEO のジャンシャルル・ドゥコーは、「記録的な数値を礎に、今後もバイクシェアリングの未来を創造し、サスティナブルモビリティの分野をリードし続けたい」とコメントしている。(オルタナ編集部=吉田広子)