
タワーの中に入れてもらった子どもたちからは、「風が吹かなくなったときどうするのか」「日本も原発がなくなっても、風車で電力をまかなえばいい」といった意見が出るなど興味津々。ヘップバーンウインドのスタッフから、日本にも北海道や東北を中心に市民がつくった風車があることを聞いて、「日本で取り組んでいる人たちがいることなんて全然知らなかった」と驚いた。
他にも、ゴミの埋め立て地だった土地を地域の人が改善し、現在は有機野菜を育てている「CERES(セレス)環境パーク」や、ウラン鉱山開発に反対している環境団体「ACF」などから話を聞き、それぞれの場所で「常に学んでいく姿勢を大切にしてください」といったメッセージを受け取った。
参加した天尾水樹さん(15)は、「オーストラリアでは、小さなことでも一人ひとりが考えて、行動に移していることがすごいと思った。個人的には、いつか福島で自然エネルギーを実現することにかかわりたいと語った。
多くの子どもたちにとって、初めての海外旅行となった今回のオーストラリア訪問。たくさんの刺激的な出会いの中で、多くの人から「この体験を持ち帰ってください」と言われた子どもたちは、「少しずつでもいいから、周りの人たちに伝えていきたい」と口々に語った。(ノンフィクションライター=高橋真樹)