規制を理由にすべきでない

─日本は、ルールの設計にあたりロビーすることが不得意です。例えば、化粧品など動物実験に対する新たな規制が欧州で決定され、日本企業が対応を迫られました。紛争鉱物問題も米国証券取引委員会(SEC)が突然、年次報告書の中での報告を義務付けてからです。

社会の価値観は大きく変化しています。だからこそ、各企業は自分たちのビジネスのガイドラインをステークホルダーと向き合いながら、つくる必要があります。

例えば「お掃除ロボット」は、「勝手に動いて人間が怪我をしたら」と懸念しているうちに、商品化が遅れ、気が付いたら、日本より厳しい製造物責任が問われる米国企業が最初に投入した「ルンバ」が日本市場を席巻しました。

与えられたルールを厳格に解釈し、ビジネスチャンスを閉じ込めれば、新しい開発の芽を摘むだけです。そうではなく、関係団体と話し合い、企業が責任を取る範囲を線引きすることも大事です。

日本企業が世界の中で、遅れを取り始めたのは、「規制があるからできない」という言い訳を使い続けてきた結果です。

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