米国の男女賃金格差、23年10-12月は史上最小の84%

記事のポイント


  1. 男女間賃金格差は、男性を100とした場合の女性の賃金を表す
  2. 米国の男女間賃金格差は2023年第4四半期、史上最小幅の83.8%となった
  3. 人種・民族別では、アジア系の男女間賃金格差が最も大きかった

米・労働統計局(BLS)は1月18日、2023年第4四半期(2023年10月~12月)の全米給与所得者の賃金動向(週給ベース)を公表した。それによると、男女間賃金格差はこれまでで最も小さい83.8%となった。男女間賃金格差は、男性の賃金を100とした時の女性の賃金を表す。人種・民族別では、アジア系の男女間賃金格差が78.3%と、白人、黒人、ヒスパニック系と比べて最も差が大きかった。(オルタナ副編集長・北村佳代子)

米国の男女間賃金格差は史上最も小さくなった

米BLSは、フルタイムで働く全米労働者1億2080万人の週間賃金の中央値(季節調整前)が、2023年度第4四半期に1,145ドル(約16万9700円)だったと発表した。

男女間賃金格差については、男性の中央値1241ドル(約18万2400円)に対し、女性は1031ドル(約15万2800円)となり、男性100に対して女性の賃金は83.8%と、史上最も格差が縮小した。

一方、BLSによると、主要な人種・民族グループである、黒人、白人、アジア系、ヒスパニック系の賃金水準は、ヒスパニック系の週給が884ドル(約13万1000円)と、黒人の967ドル(約14万3300円)、白人の1157ドル(約17万1500円)、アジア系の1528ドル(約22万6400円)を下回った。

人種・民族別で男女間賃金格差を見ると、黒人女性は黒人男性の93.9%、ヒスパニック系女性はヒスパニック系男性の87.8%、白人女性は白人男性の84.1%であるのに対し、アジア系女性はアジア系男性の78.3%と最も差が大きかった。

■日本でも「男女間賃金格差」の情報開示が進む

日本では、上場企業は2023年3月末以後の事業年度に関する有価証券報告書の中で、「男女間賃金格差」や「女性管理職比率」「男性育児休業取得率」等の人的資本に関する情報開示が義務付けられている。

公益財団法人日本生産性本部が2023年8月に公表した「2023年3月末決算企業の有価証券報告書『人的資本開示』状況(速報版)」によると、男女間賃金格差の平均は70.8%だった。また、男女間賃金格差が70~75%となっている企業が、全体の23%と最も多かった。

北村(宮子)佳代子(オルタナ副編集長)

北村(宮子)佳代子(オルタナ副編集長)

オルタナ副編集長。アヴニール・ワークス株式会社代表取締役。伊藤忠商事、IIJ、ソニー、ソニーフィナンシャルで、主としてIR・広報を経験後、独立。上場企業のアニュアルレポートや統合報告書などで数多くのトップインタビューを執筆。英国CMI認定サステナビリティ(CSR)プラクティショナー。2023年からオルタナ編集部。

執筆記事一覧
キーワード: #ジェンダー/DE&I

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。
Loading..