井関農機: 農機開発に女性視点、担い手不足解消へ

記事のポイント


  1. 井関農機は「農家を過酷な労働から解放したい」という思いで機械化を進めてきた
  2. 同社は10年ほど前から、女性も操作しやすいトラクタ「しろプチ」などを展開
  3. 背景には、担い手の高齢化や不足といった日本農業の深刻さがある

■オルタナ76号「ジェンダードイノベーション」特集から

農業機械メーカーの井関農機(愛媛県松山市)は、「農家を過酷な労働から解放したい」という創業精神のもと、農業現場の機械化を進めてきた。同社は10年ほど前から、女性も操作しやすいトラクタ「しろプチ」などを展開する。背景には、担い手の高齢化や不足といった日本農業の深刻さがある。(オルタナ副編集長・吉田 広子)

女性視点で開発されたトラクタ「しろプチ」(提供: 井関農機)
女性視点で開発されたトラクタ「しろプチ」(提供: 井関農機)

「機械操作も一手に担い農業をしていた父が急に亡くなってしまい、途方にくれていた。そんなときに女性にとっても使いやすいトラクタがあると知り、農業を続けてみようと思えた」

井関農機に、こんな声が寄せられた。その女性は、残された家族でキュウリ農家を引き継ぐことを決めたという。

井関農機は、1926年の創立以来、農作業の負担を減らそうと、機械の導入を支援してきた。

2006年にはユニバーサルデザインガイドブックを作成し、だれにとっても使いやすい製品開発に力を入れ始めた。そうした土台もあり、農林水産省が2013年に立ち上げた「農業女子プロジェクト」には、発足当初から参画した。

■農家の約4割は女性、農業界全体を盛り上げたい

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yoshida

吉田 広子(オルタナ副編集長)

大学卒業後、米国オレゴン大学に1年間留学(ジャーナリズム)。日本に帰国後の2007年10月、株式会社オルタナ入社。2011年~副編集長。執筆記事一覧

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キーワード: #ジェンダー/DE&I

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