記事のポイント
- 井関農機は「農家を過酷な労働から解放したい」という思いで機械化を進めてきた
- 同社は10年ほど前から、女性も操作しやすいトラクタ「しろプチ」などを展開
- 背景には、担い手の高齢化や不足といった日本農業の深刻さがある
農業機械メーカーの井関農機(愛媛県松山市)は、「農家を過酷な労働から解放したい」という創業精神のもと、農業現場の機械化を進めてきた。同社は10年ほど前から、女性も操作しやすいトラクタ「しろプチ」などを展開する。背景には、担い手の高齢化や不足といった日本農業の深刻さがある。(オルタナ副編集長・吉田 広子)

「機械操作も一手に担い農業をしていた父が急に亡くなってしまい、途方にくれていた。そんなときに女性にとっても使いやすいトラクタがあると知り、農業を続けてみようと思えた」
井関農機に、こんな声が寄せられた。その女性は、残された家族でキュウリ農家を引き継ぐことを決めたという。
井関農機は、1926年の創立以来、農作業の負担を減らそうと、機械の導入を支援してきた。
2006年にはユニバーサルデザインガイドブックを作成し、だれにとっても使いやすい製品開発に力を入れ始めた。そうした土台もあり、農林水産省が2013年に立ち上げた「農業女子プロジェクト」には、発足当初から参画した。
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