記事のポイント
- サステナビリティ・ESG領域の求人件数は年々増加しているようだ
- 人材コンサルティングファームによると、4年で5倍に伸びた
- 具体的な実行スキルを持った人材ニーズが高まっているという
人材コンサルティングファームのコトラ(東京・港)はこのほど、サステナビリティ・ESG採用マーケットの見通しを公表した。同社が受注したサステナビリティ・ESGの求人件数は年々増加し、2020年に57件だったところ、2023年には278件に増えた。企業に本質的な取り組みが求められるなかで、具体的な実行スキルを持った人材ニーズが高まっているという。(オルタナ副編集長=吉田広子)

コトラによると、同社が受注した金融業界、事業法人の求人数が増加した一方で、コンサルティング業界で初めて求人数が減少に転じた。
同社の宮崎達哉パートナーは、「東証市場改革なども後押しし、企業のサステナビリティ・ESGに関する方針づくり、開示対応が一段落した。今後は本質的な取り組みが一層進む中で、具体的な実行スキルを持った人材が求められる」と説明する。
「カーボンニュートラルや生物多様性、サーキュラーエコノミー、人権などの専門性に加えて、M&Aやプロジェクトファイナンスの経験、化学や機械などの技術的な経験・知見、データ分析といったスキルを持った人材のニーズが高まっている」(宮崎パートナー)
企画力やプロジェクトマネジメント力に長け、リーダーシップを持って統合的な動きをし、ビジネスや組織に貢献できる人材もニーズが高まっているという。
金融業界では、全体的に求人ニーズが高まり、「インパクト投資」に関する求人が増加。事業会社では、総合商社、エネルギー事業者、プラントメーカー、食品メーカー、IT企業などで、ビジネスおよび管理の両方のポジションでニーズが生じているとした。