読者の皆さんも「建築基準法」という言葉を耳にしたことがあるだろう。では、それがどのような基準を定めたものなのか、ご存知だろうか。「この基準を満たしている建物は『大地震が起きても壊れない建物』だと思っている人が多く、そこに落とし穴がある」と、京都大学生存圏研究所の五十田博教授は話す。

ジェスチャーを交えながら、分かりやすい言葉で解説する五十田教授

「建築基準法というのはあくまで最低の基準です。基準法を満たしている建物は、過去最大級の地震が起きたときに『倒壊はしない』だけで、修復するのが困難なくらいに壊れることは許容されています。しかもそれは、本震、いわゆる一回目の地震に対するもので、余震に対しては、法律は何も決めていないのです。今までは余震でそれほど大きな地震がくるとは考えられていなかった。しかし、東日本大震災で、今までの地震の概念を変えざるを得ないほどの地震動に我々は直面したわけです。今後、本震で大きく損傷した建物が、余震でバタバタと倒れていくことも想像ができます。本震への対策はもちろんのこと、余震対策も非常に重要だと言えるのです」

南海トラフ地震発生時、建物倒壊による予測死者数は、東日本大震災の実に4倍の約8万人。この数字からも、住宅の地震対策の重要性が見て取れる。では、私たちは具体的にはどうやって家を守り、命を守れば良いのだろうか。

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