ところが、県が安全審査申請の条件の一つとしたのは、実際には「県の了解が得られない限り、フィルターベント設備の運用開始ができない」とするものだ。東電が原子力規制委員会に提出した安全審査申請書にも、「格納容器圧力逃がし装置及び代替格納容器圧力逃がし装置は、立地自治体の了解の後に運用開始する」と明記されている。2紙が報じたような事実はない。

■廣瀬社長「(地元との連携は)共通認識」

県が安全審査申請にこうした条件を設けたのは、25日の泉田知事と廣瀬直己東電社長との会談で、「避難中の住民が健康に影響のある被ばくをする危険がある」と確認したためだ。

この中で泉田知事は「フィルターベントでトラブルが生じた場合に予測される被ばく線量は、最悪で260ミリシーベルトになる」と指摘。「2007年の新潟県中越沖地震で、柏崎刈羽原発の変圧器で火災事故が起きた時、住民が一斉に避難しようとした時に道路が寸断して動けなかった」「原子炉の水が失われて2時間でメルトダウンするのに、2時間でどうやって避難するのか」などと廣瀬社長を質した。

これに対して廣瀬社長も「(避難のあり方を)私たちだけで決めてもいけない。自治体、県とも訓練などをしないといけない」「(地元との連携なしに安全確保が難しいのは)共通認識だ」などと述べている。

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