
「うちで建てる建物の耐震性には当然ながら自信があります。実際に阪神淡路大震災でも、うちが建てた建物は一軒も倒れていませんでした。建築屋として、そこは絶対にクリアしなければならないところだと思っていますが、しかし、家の中のことはまた別です。
『中にいる人間』を守るためには、揺れを抑える制震の技術を取り入れることが、ワンランク上の安全を届けることになるはずだと感じています」
そして、もう一つの理由が「信頼」である。住友ゴム工業と伊田工務店は、目と鼻の先にあるいわゆる地元を同じくする企業。そこには、活発な意見交換ができる関係性があるのだ。
「製品の性格上、制震システムの効果は地震が起きてみないと本当のところはわからない。ただ、限りなく本当の地震が起きたときに近づけて実験を試みるなど、企業努力をする住友ゴムさんと密に話をさせてもらって、業種は違えどプロフェッショナルとして信頼している。だから私は、胸を張ってお客様にお勧めするんです」
家は何よりも、危険から命を守れる場所であるべきである。これから家を建てようと考える人たちが、暮らしを楽しめる空間であることの前に、何を大切にするのか、改めて考えるきっかけにしてほしい。