スポーツ交流から多文化共生を考える

「失敗しても、プラスにとらえるアグレッシブさを」と語る野口氏

龍谷大学は3月1日、「スポーツを通じた国際的な出会いと多文化共生」をテーマにトークセッションを開催した。同大学は、来年4月から新たに「国際学部」を設け、多文化共生キャンパスの実現を目指している。トークセッションでは、日本の若者が世界で活躍するために必要なことについて議論した。(オルタナ関西支局特派員=仲底真由美)

龍谷大学は、2015年4月、国際文化学部を深草キャンパス(京都市)へ移転・改組し、新たに国際学部を設置予定だ(2014年設置届出予定)。日本文化への理解を機軸に異文化を尊重し、グローバルに活躍できる人材育成を目指す。

日本の国技も、外国人選手がいなければ成り立たない。外国人労働者を受け入れようとする政府の動きもあり、国内外問わず異文化コミュニケーションの必要性はますます求められる。

トークセッションのゲストは、龍谷大学の卒業生で、現在は米スポーツバイクブランド「トレック」日本法人の広報として活躍する野口忍氏。15歳で米国留学を経験し、19歳で自転車競技に出合った。メキシコの大会で世界デビューを果たし、さまざまな国でのレース経験を持つ。

野口氏は「高校生で留学した時、体育の授業で服を着たままプールに飛び込み、どうすれば助かるのかを学んだ。選択科目としてファイナンスの授業もあり、生きぬく術を教えていた。日本での受け身な授業と違い、実践的だと感じた」と振り返る。

「オーストラリアのキャンベラでは、自転車で走り終わった後、大人数がカフェに集まり、顔を合わせる。コミュニケーションの場として、素晴しいと思った。自転車で海外を走る時、決められたコース以外はローカルな道を選んでいる。言葉は通じなくても、感じるものがたくさんある」と続けた。

元ラグビー日本代表で同大学ラグビー部の大内寛文監督は、外国人選手が加入したことで、チームの雰囲気が良くなった例を話した。

「日本一厳しいといわれる企業のラグビー部に入ったが、ニュージーランドの選手2人のおかげでチームの雰囲気が一転して和やかになった」(大内監督)

ニュージーランド出身の選手は、オンとオフの切り換えが上手く、遊ぶ時は思いっきり楽しむ。だからこそ、良いプレーができるのだという。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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